一番の原因は、ひとが誰しも持っている欲です。この場合は、損したくないという気持ちです。いくらで買ったから、こんなに良いものだから高く売却しなくては、と考えます。
こんな実験があります。Aのグループには品物をプレゼントしてから、それがいくらすると思うか聞きます。Bのグループには品物を見せただけであげないでいくらすると思うか聞きます。結果はどうなったでしょう？
AのグループはBのグループよりその品物を高く評価する傾向があります。あるケースでは1.5倍の差がつきました。これは保有バイアスと言われているもので、ひとは自分のものになると、同じものでも高く評価する、良いものに感じられると言うことです。
これは不動産にも言えることで、所有者と他の人(もっと言えば買主)では、物件の評価(価格)に差が有ります。自分のものは高めに評価するのが当たり前という方もいらっしゃるでしょうが、同じものでも評価が違うということは、その物件は相手(買主、あるいは市場)からどう見えるのかを考えるヒントになります。
不動産の売却は、物件の価値を買主に分かってもらう事が大切ですが、自分の中だけで発生する価値は相手には分かってもらえませんよね。つまり、保有バイアスによる評価アップ分を取り除くことが重要です。
続きはまたの機会に。
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